ラミネート加工の種類と特徴!シールの耐水性や効果も解説
シールは、屋内外を問わずさまざまなシーンで使用され、長期間貼り続けられることも多いアイテムです。しかし、素材や環境によっては耐久性を上げる必要があります。そんな時にラミネートが重宝します。
ラミネートには、印刷面を保護し耐水性・耐久性を向上させる効果があるため、シールの強度を高められます。また、フィルムの質感が加わって見栄えがよくなることもラミネート加工をするメリットのひとつです。
当社でシールを制作する際は、お客様の使用目的や完成イメージを丁寧にヒアリングした上で、最適な素材や加工方法をご提案させていただいています。お見積り・お問い合わせございましたら、お気軽にご相談ください。
シールやステッカーに施すラミネート加工の特徴
ラミネート加工とは、シールの表面に透明フィルムを貼る処理のことです。シール表面のツヤ出し・ツヤ消し効果があり、印刷面を保護する役割も果たしています。
使用されるフィルム素材の使い分け方は、以下の表のとおりです。
素材 | 用途 |
PP(ポリプロピレン) | 屋内向け |
PET(ポリエステル) | 屋外向け |
UVカット機能付き | 屋外長期使用向け |
表面が平滑な素材であれば、基本的にどのような素材でもラミネートが可能です。一方、上質紙やクラフト紙、和紙などといった、コート処理されていない素材とは相性がよくありません。むしろせっかくの質感がラミネートで損なわれるのでお勧めできません。
このように素人の方には分かりずらいですが、適した素材、適した場面で活用することが大切です。
ラミネート加工の種類には主に2つの選択肢がある
ラミネート加工には、以下2つの種類があります。
- 光沢ラミネート
- マットラミネート
種類1 光沢ラミネート
光沢ラミネートは、ツヤがあるタイプのフィルム素材です。印刷面に艶やかな輝きを与え、色合いを鮮やかに見せる効果があります。
写真やイラストのコントラストもはっきりさせられるため、印刷物や広告を始めとして、活用場面が幅広いことも特徴のひとつです。シールに使用する際は、光を反射させて目立たせたいときや、華やかな仕上がりにしたいときにお勧めです。
種類2 マットラミネート
マットラミネート加工では、ツヤがないタイプのフィルム素材を利用します。半透明のフィルムのため印刷が若干薄くなりますが、高級感はグッと増します。光の反射を抑えて落ち着いた印象に仕上がることと、サラッとした触り心地をしていることが特徴的なポイントです。
照明の下でも光を反射しないため、文字などを記載するシールに向いています。光沢ラミネートのような華やかさはないものの、シックな雰囲気や高級感を演出したいときにおすすめです。iPhoneの箱のような質感のイメージです。当社のお客様の場合、マットラミネートの方が人気があります。
番外編 UVカットラミネート
UVカットラミネート加工には、インクの退色の原因となる紫外線を軽減する効果があります。
屋外の印刷物が色褪せやすい理由は、太陽光の紫外線です。UVカット効果のあるラミネートフィルムには紫外線吸収剤が含まれているため、素材の表面に到達する紫外線の量を減らし、印刷物の寿命を向上させる効果があります。ただし、極めてUVカット効果があるという訳ではなく、他のラミネートよりも若干長持ちする程度の効果です。
当社では色にもよりますがインクの盛量の多いシルク印刷をお勧めしています。
シルク印刷について知りたい場合は下記の記事をご覧ください。
シルク印刷とは?他の印刷との違いや工程を解説
シールやステッカーにラミネート加工することで得られる3つの効果
シールやステッカーにラミネート加工をすることで期待できる効果は、以下のとおりです。
- 耐水性・耐久性が上がる
- 見栄えが良くなり高級感を演出できる
- 屋外でも使える強度を付加できる
効果1 耐水性・耐久性が上がる
ラミネート加工にはシールの表面を保護し、耐水性・耐久性を向上させる効果があります。加工に使用されるPP(ポリプロピレン)やPET(ポリエステル)は、撥水性や耐摩耗性が高く、防水・防汚効果の高い素材です。
また、外部からの物理的な衝撃も緩和してくれるため、摩耗による印刷の削れも予防できます。紙素材の場合は完全な防水はできないものの、加工前と比較すると、耐水性・耐久性は飛躍的に向上させられるでしょう。
効果2 見栄えが良くなり高級感を演出できる
ラミネートフィルムは、印刷面の見栄えを良くし、高級感を演出できます。フィルムの種類によって特徴が異なり、光沢ラミネートは印刷面にツヤを出したいときに効果的です。
一方、マットラミネートにはツヤ消し効果があるため、落ち着いた印象に仕上げたいときに使用されます。共にフィルムが印刷面を保護してくれることから、使用期間が長いシールにもおすすめの加工方法です。
効果3 屋外でも使える強度を付加できる
UVカット効果のあるラミネートフィルムを使用すると、日光にあたっても劣化しにくくなり、屋外でも使用できるようになります。
屋外では日光や風雨など負荷が加わり続けるため、屋内で使うシールより格段に高い強度が必要です。未加工のシールやステッカーは日光などの紫外線に弱く、長時間さらされていると劣化が早まります。素材自体の耐水性が高くても、印刷面を保護していないとインクの劣化を防ぐことは困難です。
ラミネートフィルムのなかでもUVカット効果があるもので加工を施せば、耐水性・耐久性が上がるとともに、紫外線から印刷面を保護できます。
当社は、通常タイプのシールを始めとして、屋外や水回りなどさまざまなシーンで使用するシールを制作している印刷会社です。ご不明な点がある場合は「お問い合わせ」からお気軽にご連絡ください。
即日対応します。ぜひ一度お試しください。
シールやステッカーにラミネート加工するときの注意点
シールにラミネート加工するときの注意点は、以下のとおりです。
- 印刷面の質感・発色が変わる
- 加工が向いていない素材もある
- 紙素材だと完全な防水にはならない
注意点1 印刷面の質感・発色が変わる
ラミネート加工はベースとなる素材の上に専用のフィルムを合わせるため、印刷面の質感や発色が変わってしまう欠点があります。特に光沢ラミネートは色の見え方が変わりやすいため、注意が必要です。
デザインの再現性や細かい色調にこだわるのであれば、ラミネート加工の行程も含めて色校正をおすすめします。作り直しで損失が発生するリスクを回避できることを考えれば、結果としてコスト削減につながります。
イメージと違う仕上がりになって困ることのないように、あらかじめ対策を取っておくことが大切です。
以下の記事では、色校正の必要性やよくある間違いを解説しています。
シール印刷 色校正 | 色の認識トラブルを回避する大切な工程です
注意点2 加工が向いていない素材もある
先述の通りラミネート加工は、すべての素材に適用できるわけではありません。質感に特徴のある紙(上質、和紙、クラフト紙)などにはお勧めできません。質感を損ねますし、ラミネートが必要な環境には選定されない紙だからです。
ラミネート加工を希望する場合は、あらかじめ適性を考慮して素材選びをしましょう。
注意点3 紙素材だと完全な防水にはならない
ラミネート加工をするとシールの耐水性・耐久性は向上するものの、台紙が紙素材だと完全な防水にはなりません。表面がフィルムでおおわれることで撥水性は高まりますが、粘着面などから水分が吸収されるのを防ぐことは困難です。
水がかかる場所や湿気の高い場所に長時間放置すると、剥がれてしまう可能性があります。屋外や水回りなど、完全な防水が必要な場面で用いるのであれば、「ユポ」や「塩ビ」といったフィルム系の素材を選択しましょう。
ラミネート加工したシールやステッカーの制作事例
当社で作成した、ラミネート加工のシールやステッカーの制作事例を紹介します。
- 合同会社エクスプロージョン ノベルティシール
- note 株式会社 ノベルティシール
制作事例1 合同会社エクスプロージョン ノベルティシール
合同会社エクスプロージョンのノベルティシールを光沢ラミネート加工で制作しました。
ユポという合成紙に光沢ラミネートで保護してあるため、屋外での利用にも適していることが特徴です。ちなみにこちらのシールは緑色の箔の上にラミネートをすることで擦れによる箔の削れを防いでいます。例えば、スマートフォンに貼ると、鞄の中で色々なモノと接触するため箔やインクが削れて劣化が早まってしまいます。そうした場合にラミネートが役立ちます。
制作事例2 freee 株式会社 ノベルティシール
freee 株式会社のノベルティシールを当社で制作しました。
こちらもユポに印刷してから、表面にマットラミネートを貼り合わせています。やはりマットの質感はグロスに比べ高級感があり、変形のロゴマークとの相性は良いです。配布された人も喜んでノートに貼るのではないでしょうか。
シールやステッカーにラミネート加工したいときはシール印刷会社に相談しよう
ラミネート加工には、シールの表面を保護したり見栄えを向上させたりする効果があります。屋外や水回りなど、負荷が大きい場面で使用するシールは、ラミネート加工で耐水性・耐久性を付加しておくと安心です。
当社では、お見積りや打ち合わせの段階でお客様のご要望をていねいにヒアリングし、完成イメージに合わせた素材や加工方法をご提案しています。シール制作について詳しく話しを聞いてみたいと思った方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
即日回答します。ぜひ一度お試しください。