アテンションシール(POPシール)のトラブル解消ガイド
薬局や量販店の商品に貼られている「期間限定」「新発売」「○%増量」「要冷蔵」などの アテンションシール(POPシール)。
一見すると簡易な販促ツールですが、法人案件では以下のようなトラブルが実際に発生します。
- 剥がれて売り場で見栄えが悪くなる
- 糊残りで商品クレームになる
- 曲面で浮いてしまう
- 店舗ごとに貼付状態がバラつく
これらは印刷不良ではなく、仕様設計の問題です。当社では、薬局・量販店向けの商品ラベルやPOPシールを数多く制作してきましたが、実務上もっとも多いご相談は「印刷後では修正できない仕様判断」に関するものです。
本記事では、商品企画・購買・資材調達・品質管理担当者が発注前に判断すべきアテンションシール設計の考え方を整理します。
課題整理|薬局・店頭POPシールで起きやすい問題
実務現場で多いトラブル
- 陳列中に角から剥がれる
- 剥がした際に糊が残り商品価値を損なう
- 冷蔵・冷凍商品で粘着力が落ちる
- ボトルや袋の曲面で浮く
- シールだけ安っぽく見える
これらは「とりあえず貼れればいい」という前提で素材・粘着・加工を決めてしまうことが原因です。
技術的背景|なぜPOP用アテンションシールは失敗しやすいのか
① 被着体(貼る商品)が多様
- プラボトル(PET・PP)
- パウチ袋(フィルム)
- 紙箱
- ガラス瓶
素材も形状も異なるため、一種類のシールで全商品対応はできません。
② 使用環境が安定していない
- 冷蔵ケース内
- 空調の強風が当たりやすい場所
- 人が頻繁に触れる売り場
販促物であっても、意外と使用条件はシビア です。
仕様設計の判断ポイント|発注前に決めるべき5つの軸
① 目的の明確化(販促か注意か)
- 購買を促す強調目的か
- 表示補足(要冷蔵・期間限定など)か
目的によってデザイン・サイズ・粘着仕様が変わります。
② 貼付期間
- 数日〜1週間
- キャンペーン期間(1か月前後)
- 在庫消化まで貼りっぱなし
短期用途なら 再剥離粘着、長期なら 通常〜やや強粘着 が基本です。
③ 被着体と形状
- 平面か曲面か
- 柔らかい袋か硬い容器か
曲面・袋物ではフィルム系素材+追従性のある粘着が有利です。
④ 素材選定
貼付環境や商品素材によって、適したシール素材は大きく異なります。素材選定で迷う場合は、以下の記事で特徴を整理しておくと判断しやすくなります。
| 素材 | 特徴 | 主な用途 | 糊残り |
| アート紙 | 低コスト・短期向け | 平面商品・短期販促 | あり |
| ユポ(合成紙) | 耐水・耐久 | 冷蔵商品・湿気環境 | なし |
| 銀ネーマー(銀PET) | 銀色素材・目立つ | ボトル商品 | なし |
※見た目だけでなく剥がした後の糊残りリスクも判断材料になります。
⑤ 加工・仕上げ
- グロスPP:目立たせたい販促
- マットPP:上品・医薬品向け
- 角丸加工:剥がれ防止
販促POPほど角処理の有無でトラブル率が変わるのが実務上のポイントです。
失敗事例|薬局・量販店向けで実際に多いケース
ケース1:冷蔵商品で剥がれた
実際に当社へご相談いただく案件の中でも、アテンションシールに関するトラブルは、売場クレームや品質部門からの指摘につながりやすい項目です。
原因
- 常温想定の粘着を使用
- 結露を考慮していなかった
結果
- 店舗で貼り直し
ケース2:剥がしたら糊が残った
原因
- 強粘着を安易に選択
- 再剥離指定なし
結果
- 消費者の購買意欲の低下
対策|POPシールで失敗しない実務的進め方
- 「どの商品に貼るか」を具体的に伝える
- 貼付期間と剥がす前提かどうかを明確にする
- 見た目だけでなく 剥がす工程まで想定する
- 可能なら事前サンプルで貼付テストを行う
アテンションシール制作事例 有限会社サンドラ
有限会社サンドラ様のアテンションシールでは、親しみやすい変形デザインを採用することで、視覚的な訴求力を高めました。パッと目を引く形状にすることで、売場でも印象に残る仕上がりになっています。
素材には、コート紙よりも見栄えに優れたユポ80μの合成紙を使用。コシがあり光沢感もあるため、デザインの魅力がより引き立ちます。印刷は2色に抑えることで、コストを抑えながらもインパクトある表現を実現しました。詳しい制作の内容については、以下の記事をご覧ください。
法人向けまとめ|アテンションシールは販促物でも仕様設計が重要
アテンションシールは簡易な印刷物に見えますが、商品品質・売場印象・クレームリスク に直結します。
- 貼付期間
- 商品素材
- 使用環境
- 剥がす前提の有無
これらを整理した上で仕様を決めることが、法人案件では必須です。
仕様が曖昧なままでも相談して問題ありません
POPシールは「正解が一つに決まらない印刷物」です。用途・商品・売場条件を共有いただければ、実務前提で最適な素材・粘着・加工仕様をご提案できます。仕様が固まっていない段階でも、お気軽にご相談ください。
アテンションシールよくある質問
- なぜアテンションシール(POPシール)は剥がれやすいのですか?
-
最も多い原因は、貼付環境と粘着仕様が合っていないことです。
冷蔵ケース内や空調が強く当たる売場では、常温想定の粘着では初期粘着が不足し、角から浮きやすくなります。印刷不良ではなく、使用条件を想定しない仕様設計が原因です。 - 再剥離粘着と通常粘着は、どう使い分ければよいですか?
-
「剥がす前提かどうか」で判断します。
短期間の販促や貼り替え前提の場合は再剥離粘着、在庫消化まで貼り続ける場合は通常〜やや強粘着が適しています。用途を決めずに選ぶと、剥がれや糊残りのどちらかが必ず問題になります。 - アテンションシールが前方に垂れているのはなぜですか?
-
主な原因は、シールの縦寸法が長すぎることです。
縦に長いアテンションシールは自重を支えきれず、陳列中に前方や背面へ垂れ下がりやすくなります。これは印刷不良ではなく、サイズ設計の問題です。寸法で迷っている場合はご相談ください。 - 発注前に最低限整理すべき情報は何ですか?
-
以下の4点は必須です。
- 貼付する商品と素材
- 貼付期間
- 使用環境(常温・冷蔵など)
- 剥がす前提があるかどうか
これらが整理されていれば、仕様検討や見積判断がスムーズになります。