再剥離シールとは？特徴や用途、作成する際の注意点を解説

再剥離シールは、一度貼り付けた後でも綺麗に剥がせるため、様々なシーンで活用されています。複数の糊や素材があり、使用目的に合わせた選択で、シールの機能を最大限に活かすことが可能です。

本記事では、再剥離シールの特徴や糊と素材の種類、作成する際の注意点を紹介します。後半には、再剥離シールの製品例も紹介していますので、商品作成を検討されている方は参考にしてください。

当社は、ラベル・シール専門の印刷会社として、様々なシールを提供しています。再剥離シールでお悩みがある方は、以下よりお気軽にお問い合わせください。

再剥離シールとは？特徴や用途も紹介

再剥離シールとは、一度貼り付けた後でも簡単に剥がせるシールのことです。よく誤解されてしまうのですが、何度も貼ったり剥がしたりすることは出来ません。シールは剥がす度に粘着力がどんどん下がっていくのでメーカーも非推奨です。

つまり、再剥離シールは１度まで剥がされることを想定されている糊と覚えておいてください。

特徴としては、シールを剥がした際に、跡が被着体（接着される素材）に残りません。そのため、一定期間だけ貼りたいシールやステッカーに最適です。

再剥離シールの特徴

再剥離シールは一般の粘着シールとは異なり、再剥離糊が使われています。

主なシールの種類は、以下のとおりです。

再剥離	・一定期間が過ぎたら剥がすことが前提のシール ・時間が経過しても剥がしやすく、剥がした後の糊残りがほとんど残らない ・綺麗に剥がせるが、貼り直せない ・貼ってから剥がすのは1回まで
一般粘着以上	・永久に貼付けることを目的としたシール ・剥がす必要がないため、強力な粘着力を持つ
再貼付	・剥がした後、糊残りがほとんど残らない ・再度貼り付けが可能 ・付箋（ポストイット）などに用いられている

再剥離シールは剥がす際に被着体を傷つけることなく剥がせるため、一定期間だけの表示にも活用されています。では、次に具体的な再剥離シールの用途について見ていきましょう。

再剥離シールの用途

再剥離シールは様々な場面で利用されており、用途も多岐にわたります。

具体的には、次のような用途です。

種類	内容
プロモーションステッカー	・一時的なイベントやキャンペーンで利用するステッカー ・商品やサービスの宣伝・イベント告知に最適
値札	・価格変更やセール時に、更新が必要な場合に便利 ・綺麗に表示変更が可能
整理収納ラベル	・家庭やオフィスの整理収納に使うラベル ・ファイルやボックスに貼り、内容物が変更された際にも剥がし残りなく、ラベル変更が可能
子ども用プロモーションステッカー	・小さな子どもが家具などに貼った場合でも、簡単に綺麗に剥がせる
車のフロントガラスに貼るシール	・駐車認定証など、車のフロントガラスに貼る情報表示にも最適
ガラス瓶の商品ラベル	・ラベルを剥がしてリサイクルする場合に便利 ・ガラス瓶を再利用する際に、綺麗にラベルを剥がせるため環境にも優しい

再剥離糊の種類

再剥離シールの糊には種類があります。再剥離糊は使用される被着体、貼り付け後の環境、持続期間などを考慮して最適な糊選びが大切です。

以下に主な再剥離糊の種類と特徴、用途をまとめました。

種類	特徴	用途
再貼付	・何度も貼り直しができる粘着剤 ・しっかり貼れて、綺麗に剥がせる ・再度貼ることが可能	・付箋 ・開閉式の封緘シール ・管理票
再剥離	・綺麗に剥がれることを目的とした粘着剤 ・再度貼ることは不可 ・再剥離の中でも強粘や弱粘がある	・個人情報保護ラベル ・リターナブル瓶用のラベル ・分別のしやすいパッケージ用ラベル
微粘着	・最も弱い粘着力 ・ガラス面向け	・短期使用のPOP ・保護フィルム

※糊の名称は製造するメーカーによって異なる場合があります。

商品や利用シーンに適した粘着タイプについて知りたい方は、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

シールの粘着 | 御社に最適なシールの粘着タイプを一挙公開

再剥離シールの素材

再剥離シールは主に紙素材とフィルム素材が使われています。紙素材は屋内利用に適しており、一方フィルム素材は防水性があるため、屋外に使用されることが多い傾向です。

紙の素材

まずは、再剥離シールに用いられる紙の素材と特徴です。

素材	特徴
上質紙	・幅広い用途に使用されている素材 ・カラーバリエーションが豊富 ・サラッとした質感
アートコート紙	・上質紙の表面に白色顔料がコートされた素材 ・艶やかで高級感がある ・ツルサラな質感
ミラーコート紙	・ラベル用途で多く使用されている ・光沢があり、ツルっとした質感
マットコート紙	・反射しないため、文字が読みやすい ・光沢が抑えられており、落ち着いた印象 ・すべすべとした質感

フィルム素材

次にフィルム素材の紹介をします。

素材	特徴
ユポ	・ポリプロピレンから作られる合成紙 ・幅広い温度範囲に対応 ・マットでサラッとした質感
透明フィルム	・透明のPET素材 ・柔らかいフィルム
銀フィルム	・家電製品やガスのメーターの確認シールなどに用いられている ・耐水性がある
白塩ビ	・白マット、白グロスがある ・柔らかく曲面に貼る際に、優れている ・耐水性・耐久性があるため屋外での使用に適している ・ツルツルとした質感

再剥離シールの3つのメリット

再剥離シールには、次のような3つのメリットがあります。

メリット1　一度貼った後でも、綺麗に剥がせる

再剥離シールの特徴は、一度貼った後でも綺麗に剥がせる点です。糊残りすることなく剥がせるため、多くの用途で用いられています。

例えば、ノベルティシールを誤った場所に貼ってしまったり、イタズラで貼られてしまったりした場合でも、再剥離シールであれば簡単に取り除くことが可能です。再剥離シールであれば不要なトラブルを避けられます。

メリット2　目印として活用できる

再剥離シールは剥がしやすい特性から、様々なシチュエーションで目印としても活用できます。以下は主な具体的な例です。

場面	内容
文書や本の目印	・文書や本に付箋のようにメモやマークをつけるのに最適 ・読書中の重要な部分をマークして活用できる ・使用後も紙を傷める心配がない
注意喚起	・「割れ物注意」や「天地無用」などの注意書きにも活用できる ・シールを剥がした後も素材を傷めることがない ・被着体を傷めないため、ダンボールを再度利用できる
検査マーク	・自動車の車検シールや検査マークとしても活用できる ・検査の有効期限が確認でき、フロントガラスを傷つけることなく目印として利用できる

再剥離シールは、被着体を傷つけない特性から、目印としても幅広く活用できます。

メリット3　目隠し用途にも利用できる

再剥離シールは剥がしやすさだけではなく、目隠しシールとして利用できるのもメリットです。

金融機関や自治体から届く個人情報が記載されたハガキに再剥離シールを使用することで、個人情報を簡単にかつ効果的に保護できます。目隠しシールとして利用することで、大切な情報を守り、プライバシー確保が可能です。

目隠しシールは、企業や団体でも役立ちます。顧客データが記載された文書や、機密性の高い情報を扱う場合に目隠しとして活用する際にも有効です。

再剥離シールの3つの注意点

再剥離シールには注意点もあります。主な注意点は下記の3つです。

注意点1　貼りたい被着体や環境、使用期間を把握して素材や糊を選ぶ

前述でも紹介したように、再剥離シールは、糊や素材に種類があります。そのため、貼り付けたい被着体の種類や環境、予定している使用期間に応じた適切な素材選びが重要です。

例えば、屋外で使用する場合は、耐水性のあるフィルムが適しています。最適な素材選びは、雨や日光による損傷を防ぐのに効果的です。

糊の選択も同様です。室内や短期間の使用には、簡単に剥がせるタイプの糊が適していますが、長期間の使用や負荷のかかる環境には、より強力で耐久性のある糊を選ぶ必要があります。用途にあった素材選びは、シールの機能を最大限に活かすのに効果的です。

注意点2　永久粘着でない

再剥離シールは、綺麗に剥がせるのが特徴があり、永久粘着のような強力な粘着力を持ちません。再剥離シールは容易に剥がせるように設計されているため、一般的なシールと比べると粘着力は弱いです。

したがって、再剥離シールは一定期間の用途に最適です。例えば、期間限定のイベントやセールの告知、仮のラベル貼り付けなどに適しています。再剥離シールを選択する際は、特性を理解し、使用目的に適したシール選びが重要です。

注意点3　再利用できない

再剥離シールは綺麗に剥がせるため「再利用できる」と思われがちですが、実際は粘着力が減少するため、繰り返しの使用はできません。

再剥離は「再び、綺麗に剥がせる」という意味合いであり、何度も貼り付けられるという意味ではありません。再剥離シールを作成する際は、特徴を理解し用途に応じてご利用ください。

再剥離シールを作成するならシール印刷会社への相談がおすすめ

再剥離シールは、剥がしやすい特性から様々な業界で使用されているシールです。しかし、選んだ再剥離シールが被着体や素材と相性が悪い場合、数週間で剥がれてしまうこともあります。

このような問題を防ぐためにも、以下のような具体的なポイントをシール印刷会社に相談することが重要です。

当社ではラベル・シール専門の印刷会社として、再剥離シールも作成しています。再剥離シールでお悩みの方は、「お問い合わせ」からお気軽にご連絡ください。

再剥離シールの製品例

最後に、当社が作成した再剥離シール製品である以下の3つを紹介します。

再剥離シール作成を検討されている方は、参考にしてください。

製品例1　アテンションシール

アテンションシールは、商品のパッケージのPRでエンドユーザーにアピールするための効果的なツールです。

裏面の下部に糊部分を残すことで、商品から飛び出るようなデザインのシールを作成できます。商品棚に並んでいる際に目立ちやすくなり、消費者の注意を引くことに効果的です。

アテンションシールは、特別なキャンペーンや新商品の告知にも利用できます。素材は、銀フィルムやユポ、アート紙がおすすめです。

アテンションシールについて、さらに詳しく知りたい方は次の記事をご覧ください。

製品一覧｜アテンションシール

製品例2　2層シール

2層シールとは、2枚重ねになっているシールの事です。

キャンペーンやおみくじシールなどで用いられ、下層にくじ引きの連番やキャンペーン用のQRコードなどを印刷できます。2層シールは、情報を隠すだけではなく、めくる楽しみを提供できる特徴があります。

2層シールについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

製品一覧｜2層シール

製品例3　個人情報保護シール

個人情報保護シールは、ハガキなどに記載された個人情報を保護するために用いられるシールです。

一度貼って剥がすと再度貼り直せないため、依頼者に届くまで開示された場合、発覚できる仕組みになっています。

また、個人情報保護シールはシールの糊面が黒いため、下地の文字が透けることはありません。企業では、キャンペーンの返信用ハガキなどに使用されることが多く、消費者の個人情報が第三者に漏れるリスクを低減し、安心してキャンペーンに参加できます。

個人情報シールについては、次の記事をご覧ください。

製品一覧｜個人情報保護シール

使用目的にあった再剥離シールを作成しよう

再剥離シールは、一度貼り付けた後でも容易に綺麗に剥がせるシールです。一定期間だけ貼りたいシールやステッカーにおすすめできます。再剥離糊には種類があり、被着体や貼り付け後の環境、持続期間などを考慮して最適な糊や素材選びが大切です。

当社では、記事内で紹介した製品例のように、使用目的に合わせて様々な再剥離シールを作成しています。糊や素材選びから商品の完成まで丁寧にサポートしていますので、お気軽にお問い合わせください。