シール印刷 色校正:色の認識トラブルを回避する大切な工程です

| 2018.03.30

シール印刷 色校正について解説



「この色、想像と違う…。刷り直しだ…畜生。あの印刷会社め。」

これは、刷り色のNG。印刷業界で最も多いトラブルのひとつ。

こんにちは。技術の鈴原です。今回はそんな色のトラブルを回避する「シール印刷 色校正」について解説します。本当に満足できる商品シールを作りたい方に読んでいただければ幸いです。


(※このページは2018年9月28日に更新されました)


色校正とは?

色校正とは、有償で印刷サンプルの作成を行うことを指します。目的は、量産時に満足できる色の設定。

つまり、クライアントに色味を事前に確認してもらい「よし!本番もこの色でお願い!」というようにポンッと校了をいただき、クライアントと印刷会社の双方で、色の認識を一致させる大切な作業。それが色校正です。

有名企業のコーポレートカラーや、有名タレントが印刷物に使われている場合、必ず色校正が行われます。かなり慎重にやっても、多いとNGを3回も頂きます。(3回とも有償で!)締めくくりは印刷現場に立ち会って「この色ならOKです!」。なんて場合もあります。こだわりすぎ!とも思いますが、これが一流ブランドのやり方です。

実は、私たちシール・ラベル印刷業界では、コストと追加日数が発生する為、色校正を端折ってしまうケースが多いのが現状。

費用は大体4,000円〜、納期は3営業日程度発生します。校正とはいえ、卓上プリンターのようにマウスのボタンをカチッと押して、パッと簡単に出来るものではありません。オペレーターが実際に本番と同じ印刷機を用いて製作しますので、費用と時間がかかります。

とある広告代理店の方に「商品用のラベルなのに色校正をしない案件があるの?トラブルどうすんの?」と言われました。失敗が許されない業務に携わっている人間の当然の反応でした。非常に共感したのを覚えています。

本来、色校正とは量産時のトラブルの回避を目的としている印刷物の保険。コストや納期も大事ですが、色のこだわりがある場合は必ず行うことをお勧めします。

印刷通販最大手のグラフィックさんの「色校正の基礎知識」でも「シビアな色の確認をご希望の場合は、本機校正をお選びください。」と言っています。

印刷会社は、色に満足してもらいたい。そう思っています。(本当に)



希望の色味を明確にする必要がある

色校正を行わずに、本番を希望した場合は、「仕上がりの色はお任せ」ということになります。しかしながら「色校正を行なっていないが、色が想像と違う!」というクレームはどの印刷会社でも起きてしまいます。

どこに問題があるのか?それではまず、色の認識の話をします。
あなたにとって「緑」はどれになりますか?


色校正



質問しといて申し訳ありません。残念ながら印刷会社は、お客様の好みまで分からないのです。

分からないので、色校正を通して分かろうとします。

色のクレームの多くは、印刷会社が刷った色がイメージと違う!ではなく、イメージに合うような手順を踏んでいないのです。

刷り直しの場合は再度、印刷費用と時間が発生します。お金と時間がもったいないです。

経験豊富な方は、そのような無駄なリスクを回避する為に色校正を必ず行なっています。中には、合格の色になるまで現場で一緒に確認する熱心な方もいます。



色校正の必要性

絶対に色校正が必要かというと、そうでもありません。私たちは使い分ける必要があると考えています。案件には予算、数量、納期、プロジェクトのレベル、といった様々な都合があります。

色校正が「必要でないケース」「必要なケース」をまとめました。

必要でないケース

・色見本がある場合
・PANTONE・DICでの指示が可能な場合

前述の通り、印刷会社は色の基準さえ分かれば問題ありません。もし、色見本がある場合は印刷会社に送ってください。PANTONEやDICといった指定がある場合は番号の指示、もしくは色チップを送付してください。印刷会社は、支給・指示された色に合わせて印刷物を仕上げてくれます。

それでも色の適合が不安な場合は、色校正を行ってください。心配事をなくしてくれるのも色校正の役割です。

必要なケース

・コーポレートカラーがある場合
・4色カラーの場合
・印刷数量がある場合

コーポレートカラーがある場合、企業規模にもよりますが色校正を行ってください。本番の発注数量が多い場合はなおさらです。

4色カラーの場合も色校正を行ってください。下記のイメージはあえて極端にしてありますが、同じデータでもこのように色のブレが生じます。色の調整は全体に影響するので、「この部分だけ濃く」とか、「この部分だけ青く」というようなことができません。


色校正



印刷数量がある場合は、もう分かりますね。そうです。刷り直しになったら大変です。色校正を行ってください。



間違った認識

1、PCモニターの色味にはならない

「モニターの色に合わせてください」とか「印刷物がモニターの色と違う」と言われることがあります。簡単にいうと光とインクの色味を合致させる事は物理的にできません。

試しにプリンターでプリントアウトした色と、モニター色と合わせてみて下さい。色味が違うことが分かります。また、PCモニターのメーカーや表示設定によって発色が異なるので、絶対にモニターを色の判断基準にしないでください。

2、御社のインクジェットプリンターの色味にはならない

「こちらでプリントアウトした色と違う」というご意見も頂いたことがあります。異なる印刷方法で出力した印刷物の色味を基準に考えること自体が間違えています。

オフィス用プリンターと、実際に印刷を行う印刷方法は異なります。つまり、印刷方法とインクの顔料が異なれば、色味も微妙に異なります。

ただ、色の方向性のターゲットとして依頼時に送る事は可能です。どの印刷会社も可能な限りご希望の色に寄せてくれると思います。

3、印刷会社はどんな色にでも再現できるは間違い

4色カラー印刷の仕上がりの色は、入稿されたデータで90%決まります。インクの調整では10%程度の変化が限界です。「そっちで何とかしてよ!」思われるかもしれませんが、そこに色を思い通りに変えるテクニックはありません。データを修正するしかありません。

4、素材によって色が変わる

これはほとんどの場合、印刷会社からアドバイスがあると思いますが、上質紙や和紙といった吸水性がある材質は色が沈みます。少しダークになるイメージです。習字の紙に水を垂らすとその部分だけグレーに濃くなる現象と同じです。素材のもつ色が、インクの色を沈めます。



まとめ

印刷物とは、どれもオリジナルで基準を設けるのが難しい商品です。満足できる印刷物を仕上げる為には、綿密な打ち合わせより、色校正が最も有力な手段になります。

忘れないでください。商品シールは、御社の商品デザインの一部なのです。私たちは、安く・早く済ませるのが目的ではなく、商品がたくさん売れることが目的と考えています。

私たちはできる限り、御社の理想の色に近づけ、ビジネスに貢献したいと思っています。

色校正は、印刷物が世に出る前の大切なプロセスなのです。

初期コストよりも最終的な仕上がりの満足度を優先させよう。

色校正


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