ノベルティステッカーの選び方|素材・加工・仕上げで失敗しないためのポイント
ノベルティシールやステッカーは、展示会・イベント・商品購入特典・キャンペーンなどで配りやすい販促物です。ただ、受け取った人がそのまま引き出しにしまったり、捨ててしまったりすることもあります。
使ってもらうには、誰が、どこに貼り、どのくらいの期間使うのかまで想定して仕様を決める必要があります。メーカーや企業が販促用に作るなら、デザインに加えてサイズ・素材・耐久性・表面加工・仕上げ方も一緒に考えると、ブランドイメージに合ったノベルティに仕上げやすくなります。
法人向けノベルティシールの作り方と、用途別の素材・加工・仕上げの選び方を解説します。
ノベルティシール・ステッカーとは
企業やブランドが、販促・認知向上・購入特典などのために配るシールがノベルティシールです。展示会やイベントの来場特典、商品購入時の特典、キャンペーンの配布物、商品パッケージへの同封、社員や関係者向けの配布物と、渡し方は一つに限りません。
「シール」と「ステッカー」に、規格上の明確な違いはありません。PC・ボトル・屋外用品に貼る、比較的耐久性の高いものを「ステッカー」と呼ぶことが多い、という程度の使い分けです。
どちらの名前で呼ぶかより、配ったあとにどう使われるかが仕様を左右します。
ノベルティシールは「どこに貼るか」から仕様を決める
素材の名前から考え始めると迷いやすいので、配った相手がどこに貼るかを先に想像してみてください。貼る場所が決まれば、必要な性能も見えてきます。
| 想定する使用場所 | 仕様の考え方 |
|---|---|
| PC・ノート・スマートフォン周辺 | 薄さ・サイズ・デザイン性を重視 |
| ボトル・タンブラー | 耐水性と粘着性を確認 |
| 車・自転車・ヘルメット | 耐水・耐候・耐久性を重視 |
| 手帳・紙製品 | 質感やデザインを優先しやすい |
| 商品パッケージへの同封 | サイズ・厚み・仕上げ形状を確認 |
PCに貼られるだけなら、屋外向けの耐候性は必須ではありません。ところが、車やヘルメットに貼られる可能性があるなら条件は違ってきます。紙素材よりフィルム素材を優先した方が向いています。
オリジナルのノベルティシールを作る手順
仕様は、下の順に整理していくと進めやすくなります。
- 用途・配布方法を決める
- サイズ・形状を決める
- 素材・粘着を決める
- 表面加工・特殊加工を決める
- 仕上げ方法を決める
- 見積・校正・量産を行う
手順1 用途と配布方法を決める
展示会で大量に配るシールと、購入者だけに渡すブランドステッカーでは、求める仕様もコストのかけ方も違います。だから「誰に、どこで、どう配るか」から決めます。
配布数と用途が先に固まっていれば、必要以上に高い仕様にすることも、逆に耐久性が足りなくなることも避けやすくなります。
手順2 サイズ・形状を決める
受け取った人がノートPCの隅に貼ろうとして、大きすぎて収まらない。サイズ決めでは、そういう場面を先に思い浮かべておきます。大きなシールは目立つ反面、貼れる場所が限られます。小さすぎると、ロゴや文字が読み取りにくくなります。PC・スマートフォン周辺・ボトルなど、貼ってほしい場所に合わせて決めると、実際に使われやすくなります。
ロゴやキャラクターの輪郭をそのまま活かした変形シールにするなら、ブチヌキ仕上げも選べます。
手順3 素材・粘着を決める
素材は、大きく紙とフィルムに分かれます。
紙素材
和紙・上質紙・光沢紙と質感の幅があり、ブランドの雰囲気を出しやすいのが紙の強みです。屋内で使うノベルティに向いています。
ユポ
耐水性のある合成紙で、ノベルティシールでは使いやすい部類に入ります。マットな質感で、PC・ボトル・商品パッケージと貼る先を選びにくく、耐久性とコストのバランスも取りやすい素材です。
PET・塩ビなどのフィルム素材
耐久性を優先するなら、PETや塩ビなどのフィルムも候補に入ります。屋外用品やヘルメットに貼られることを想定するなら、耐水性だけでなく耐候性と、貼る面に沿うかどうか(追従性)も考えます。
素材が決まっていなくても構いません。どこに貼ってほしいかを印刷会社に伝えると、候補を絞り込みやすくなります。
手順4 表面加工・特殊加工を決める
同じ素材でも、加工が変われば印象は大きく変わります。
| 加工方法 | 特徴 |
| グロスラミネート | 光沢を加え、印刷面の耐久性を高める |
| マットラミネート | 光沢を抑え、落ち着いた質感に仕上げる |
| 箔押し | 金・銀などの箔で光沢感や高級感を加える |
| エンボス加工 | 紙を凹凸させ、触感と立体感を加える |
| ホログラム | 見る角度で光り方が変わり、視認性を高めやすい |
全部を足せばいいわけではありません。ブランドの見え方を優先するのか、耐久性を上げたいのか、とにかく目立たせたいのか。その優先順位で、選ぶ加工が変わります。
手順5 1枚カット・断裁・ブチヌキから仕上げを選ぶ
1枚ずつ配るときの仕上げは、台紙をどう残すかで分かれます。
| 仕上げ | 特徴 |
| 1枚カット | シールより台紙が少し大きい。価格を抑えやすく、シールの端も傷みにくい |
| 断裁仕上げ | 四角形向け。シールと台紙を同じ大きさに仕上げられる |
| ブチヌキ仕上げ | 変形デザイン向け。シールと台紙を同じ形状に仕上げられる |
1枚カットは価格を抑えやすく、大量に配る場面に向きます。四角いステッカーらしい見た目なら断裁、ロゴやキャラクターの形を出したいときはブチヌキという選び方です。
ただしブチヌキは、鋭角が多い形や細すぎる部分があると、抜き加工の都合で形状の調整が必要になることがあります。
手順6 見積・校正・量産を行う
サイズ・素材・加工・数量が固まったら、見積を依頼します。ブランドカラーや質感にこだわる場合は、量産前に色校正や試作をしておくと、仕上がったあとの認識違いを減らせます。
イベント日やキャンペーン開始日が決まっているときは、校正にかかる期間を含めた納期を早めに確認してください。
ノベルティシールで失敗しやすい仕様
配ったのに使われない、すぐ傷む。そうなりやすい仕様には傾向があります。
- 大きすぎるサイズ
目立ちますが、貼れる場所が限られます。 - 屋外で使われるのに紙素材
水・紫外線・温度変化で劣化しやすくなります。 - 耐水素材にしただけで、印刷面の保護を考えていない
擦れの多い用途では、インク面が先に傷むことがあります。 - 細すぎる、鋭角が多い変形デザイン
抜き加工が難しく、形状の調整が必要になる場合があります。 - 用途に見合わない過剰な加工
コストが上がっても、販促効果につながらないことがあります。
見栄えのする加工を足す前に、配る相手と貼られる場面に合っているかを確かめます。
発注前に決めておきたい項目
相談の時点で、すべて決まっている必要はありません。下の項目のうち、分かるものから伝えてください。
- 使用目的
- 配布方法
- 想定する貼付場所
- 希望サイズ
- 希望形状
- 屋外・屋内
- 耐水性の必要性
- ブランドイメージや希望する質感
- 数量
- 希望納期
なかでも「どこに貼ってほしいか」と「何枚配るか」が分かれば、素材や仕上げ方法を選びやすくなります。
ノベルティシール・ステッカーの制作事例
用途やブランドイメージに合わせて仕様を変えた、制作事例を3件紹介します。
制作事例1 一般社団法人42Tokyo|ノベルティシール
イベント告知用のノベルティシールです。
6種類のシールを制作し、ホログラムフィルムや耐久性のある塩ビ素材を使っています。
仕上げは変形のブチヌキですが、印刷色は黒1色。形状と素材で特徴を出しつつ、コストとのバランスを取った仕様です。ラミネートも施してあるため、PCなどの日用品だけでなく屋外用品にも貼りやすい耐久性があります。
制作事例2 BEATINK.COM BIG THIEF|ノベルティシール
米NYブルックリンを拠点とするバンド「BIG THIEF」のアルバムに同封されたノベルティシールです。
耐水性のあるユポ80µに溶剤強粘着を組み合わせ、表面はマットラミネートです。印刷面を保護しながら、サラッとした落ち着いた質感に仕上がります。
ブチヌキ仕上げなので余分な台紙が見えず、デザインの輪郭がそのまま出ています。
制作事例3 freee株式会社|ノベルティシール
freee株式会社のノベルティシールです。
ユポ80µに強粘着、表面はマットラミネートという組み合わせです。
ラミネートが擦れによるインクの摩耗を抑えるので、配布後も使いやすい耐久性が保てます。ロゴの形を活かした変形ブチヌキで、企業イメージをそのままシールの形にした事例です。
ノベルティシールに関するよくある質問
ノベルティシールにはどの素材が適していますか?
使う場所によって変わります。PCや屋内用品に貼るなら紙やユポ、ボトルや屋外用品など耐久性が必要な場合は、ユポ・PET・塩ビなどのフィルム系素材が候補になります。
ノベルティシールにラミネートは必要ですか?
必須ではありません。擦れや水濡れが想定される場合や、長く使ってもらいたい場合に検討します。質感を変える目的で、マットラミネートやグロスラミネートを使うこともあります。
1枚カットとブチヌキはどちらが向いていますか?
価格を抑えて配るなら1枚カット、ロゴやキャラクターの輪郭を活かしたいならブチヌキです。四角いステッカーで台紙とシールを同じ大きさにしたい場合は、断裁仕上げも選べます。
デザインが決まっていても仕様だけ相談できますか?
可能です。使う場所、数量、サイズ、耐水性が必要かどうか、希望する質感などを整理しておくと、素材・粘着・加工・仕上げの候補を検討しやすくなります。
量産前に仕上がりを確認できますか?
色・素材・加工後の質感を確かめたい場合は、量産前に色校正や試作をする方法があります。ブランドカラーや特殊加工にこだわる案件では、事前に確認しておくと、完成後の認識違いを減らせます。
ノベルティシールは配布後の使われ方から仕様を決める
ロゴを印刷して配れば終わり、というものではありません。配布後にどう使われるかが見えていれば、サイズ・素材・加工・仕上げは選びやすくなります。
素材名や加工名で迷っているなら、先に整理するのは使用目的と配布方法です。そこから印刷会社に相談すれば、必要以上にコストをかけず、用途に合った仕様を検討できます。
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