法人向け ラベル素材の選び方10選
商品ラベルの素材選びは、デザインより先に「用途と環境」を決めないと失敗します。濡れる、冷える、こする、曲面に貼る、長期保管する。こうした条件を見落とすと、剥がれや浮き、にじみ、擦れ、読めない表示につながり、現場対応や回収リスクまで発生します。
本記事では、法人のラベル発注でよくある判断ポイントを整理し、定番素材10種を用途別に解説します。
仕様が固まっていない段階でも大丈夫です。用途と貼り付け条件が分かれば、最適な素材と粘着、加工の方向性まで一緒に設計できます。
シール用紙は「紙素材」と「フィルム素材」の2タイプ
シールの用紙は、大きく分けて「紙素材」と「フィルム素材」の2種類があります。
まずは、それぞれの違いについて詳しく見ていきましょう。
紙素材
コストと表現力のバランスがよく、屋内や短中期用途に向きます。紙ならではの質感で、ブランドの空気感を作りやすい一方、水や擦れには弱くなります。
| メリット | ・用紙の種類が豊富 ・糊との組み合わせが豊富で自由度が高い ・フィルム素材よりも安価 |
| デメリット | ・水に弱く、汚れやすい ・フィルム製と比べると耐久性に劣る |
| 代表的な用紙 | アート紙・ミラーコート紙・上質紙・クラフト紙・和紙など |
フィルム素材
| メリット | ・耐水性・耐久性に優れている ・屋外や長時間の使用に適している ・糊の種類も豊富 |
| デメリット | ・紙素材よりも高価 |
| 代表的な用紙 | ユポ・透明PET・ホログラム・パール紙・塩ビなど |
耐水性や耐久性が必要なときの第一候補です。冷蔵冷凍、水回り、屋外、長期貼付に強く、表示品質を守りやすい素材群です。
法人の素材選定で最初に決める4つの条件
条件1 どこに貼るか
貼り先で必要な素材と粘着が変わります。
例として、紙箱、ガラス瓶、樹脂容器、金属、塗装面、段ボールでは最適解が違います。
条件2 どんな環境に置かれるか
濡れ、結露、冷凍、油、摩擦、紫外線。ここがズレるとトラブルになります。
冷蔵冷凍は「結露」「温度差」「剥がれ」まで考える必要があります。
条件3 どれくらいの期間使うか
短期のキャンペーンなのか、長期の製品表示なのか。
短期なら剥がしやすく、長期なら剥がれにくい粘着が必要です。
条件4 何を優先するか
よくある優先順位は次の3つです。
・見た目の質感と演出
・表示の強さ こすれにじみ
・コストと量産安定
粘着の選び方 事故が起きるポイント
| 一般粘着 | ・中程度の粘着力を持ち、一般的な使用に適している ・主に屋内や一時的な用途で使用するラベル・包装などに利用されている |
| 強粘着 | 強力な粘着力を持つため、シールやラベルをしっかりと貼り付ける際に使用する ・永久性や長期的な貼り付けが必要な場合に適している ・特に、屋外や厳しい環境での使用に最適 |
| 弱粘着 | ・弱い粘着力を持ち、簡単に剥がせる ・再利用可能なシールや一時的なマーキングなどに適している |
| 再剥離 | ・貼った後でも簡単に剥がせ、剥がした跡がほとんど残らない ・一定期間だけ貼りたいシールやステッカーに最適 |
当社は、シール専門の印刷会社として、これまで数多くのシールを制作してきました。用途に合わせて最適な用紙や素材をご提案させていただくので、ぜひ「お問い合わせ」からお気軽にご連絡ください。
定番素材10選 用途別のおすすめ
ここでは、紙素材とフィルム素材に分けて、おすすめのシール用紙を紹介します。それぞれのシール用紙の特徴や用途も紹介していますので、シール用紙選びの参考にしてください。
紙素材 おすすめのシール用紙5選
紙素材のおすすめ用紙は、次の5つです。
- アート紙
- ミラーコート紙
- 上質紙
- マットコート紙
- 和紙
アート紙:控えめな光沢で、落ち着いた印象を与えられる
アート紙は、控えめな光沢が特徴で、インクの発色が美しく印刷できます。色鮮やかに印刷できるため、雑誌やカタログ、パンフレットなど幅広い用途で使用されている用紙です。ほかの用紙と比べて安価で、主に屋内で使用するシールやラベルに用いられています。
アート紙の特徴は以下にまとめました。
| 光沢 | あり(微光沢) |
| 質感 | ツルツルとした指触り |
| 相性がいい加工 | ・箔押し加工 ・エンボス加工(凸凹は控えめ) |
| 主な用途 | ・商品パッケージ ・リボンシール ・バーコードシール など |
以下は、アート紙を使用した食品ラベルの制作事例です。

そのほかのアート紙を使用した制作事例については、以下の記事をご覧ください。
ミラーコート紙:鮮やかな発色で目を惹きつける
ミラーコート紙は、表面が鏡面のような強い光沢があります。カラフルな画像や写真を鮮やかに印刷できるため、広告などにも使用されている用紙です。インクの発色が美しく、目を惹くラベルを制作できます。
また、比較的安価でありながら、幅広い用途に対応できるのも利点です。
| 光沢 | あり |
| 質感 | ツルツルとした指触り |
| 相性がいい加工 | ・箔押し加工 ・エンボス加工(凸凹は控えめ) |
| 主な用途 | ・商品パッケージ ・キャンペーンシール ・ノベルティシール など |
以下は、ミラーコート紙を使用したアパレルブランドのステッカーの制作事例です。
上質紙:ナチュラルな風合いで品がある
上質紙は、光沢がなくマットな質感が特徴です。表面にコートが施されていないため、インクの色が若干暗くなり、落ち着いた印象を与えます。
上質紙は主に化粧品や食品、飲料などの商品ラベルに用いられる用紙です。
| 光沢 | なし |
| 質感 | サラサラとした指触り |
| 相性がいい加工 | ・箔押し加工 ・エンボス加工(凸凹は控えめ) |
| 主な用途 | ・商品パッケージ ・ノベルティシール ・ギフトシール など |
以下は、上質紙を使用したコーヒーラベルの制作事例です。
ほかにも上質紙を使用した制作事例を知りたいという方は、次の記事をご覧ください。
マットコート紙:マットな質感で、文字が読みやすい
マットコート紙は、マットな質感と真っ白な色が特徴です。中質紙や上質紙で表面をコーティングして作られています。
コーティングが施されているものの吸水性があるため、インクの色は若干暗くなりますが、反射しないため文字が読みやすい素材です。この特性からチラシやパンフレットなど印刷物にも使われています。
| 光沢 | なし |
| 質感 | コピー用紙程度にサラサラとした指触り |
| 相性がいい加工 | ・箔押し加工 ・エンボス加工(凸凹は控えめ) |
| 主な用途 | ・商品パッケージ ・お酒などのラベル ・訂正シール など |
以下は、マットコート紙を使用したパッケージシールの制作事例です。
和紙:和の印象を表現する
和紙は、特有のマットな質感が特徴です。和紙は繊維があるため表面に凸凹が生じ、インクが若干暗くなるものの、高級感があります。
和紙には一般的な白い和紙以外にも、太い繊維が散りばめられた「大礼」や、表面に深い凸凹がある「クレープ」、金粉が散りばめられた「金」など種類が豊富です。繊維が見える風合いで、お酒や和菓子などの商品ラベルで使用されています。
| 光沢 | なし |
| 質感 | サラサラとした指触り |
| 相性がいい加工 | ・箔押し加工 ・エンボス加工(凸凹は控えめ) |
| 主な用途 | ・お酒のラベル ・和菓子のパッケージ ・旅館のノベルティシール など |
以下は和紙を使用した商品シールです。
ほかにも和紙を使用している制作事例を知りたい方は、次の記事を参考にしてください。
フィルム素材 おすすめのシール用紙5選
耐水性や耐久性が必要なら、フィルム素材がおすすめです。
主なフィルム素材は以下があげられます。
- ユポ
- 透明PET
- ホログラム
- パール紙
- 塩ビ(エンビ)
ユポ:耐水性を持ち、冷蔵庫や水回りで使える
ユポは、ポリプロピレン樹脂から作られた合成紙です。耐久性・耐水性が優れているため、屋外や水回りで使用するシールにも適しています。
また、冷蔵や冷凍の食品シールとしても使用されており、温度変化によって発生する結露によるシワもできにくい素材です。
ユポはコストが安価であるため、幅広い分野で活用されています。
| 光沢 | なし |
| 質感 | ・紙に似た肌触り ・サラサラとした指触り |
| 相性がいい加工 | ・箔押し加工 ・エンボス加工(凸凹はかなり控えめ) |
| 主な用途 | ・冷蔵、冷凍食品のシール ・水回りで利用するシール ・医薬品ラベル など |
以下は、ユポを使用したクラフトビールの制作事例です。
そのほかのユポを使用した制作事例は、次の記事をご覧ください。
制作事例|エシカルビューティー株式会社 シャンプーボトル用ラベル
透明PET:透明シールの作成で使用される
透明PETは、ポリエステルフィルムのシールです。
透明であるため、印刷部分以外は目立たず、透明シールとして使用されています。存在感を抑えつつ、商品やシールのデザインを際立たせたい場合に最適です。
また耐久性・耐水性が高く、幅広い分野で活用されています。
| 光沢 | あり(グロス)・なし(マット) |
| 質感 | グロス:指でなぞるとツルツルしている マット:指でなぞるとサラサラしている |
| 相性がいい加工 | ・箔押し加工 |
| 主な用途 | ・窓用ステッカー ・パッケージラベル ・商品ラベル など |
以下は、透明PETを使用した透明のノベルティシールです。
そのほかの透明PETを使用した制作事例は、次の記事をご覧ください。
ホログラム:動くたびに色が変わり、目を惹きつける
ホログラムシールは、見る角度によって反射色が変わる特殊素材です。美しく存在感を放ち、アイキャッチ性に富んでいます。
ホログラムシールは、耐久性・耐水性がある素材です。屋外で使用する際にはグロスラミネート加工を施すことで、さらに長持ちします。ただし、フィルム素材の中では高価格です。
またホログラムは、紙幣や身分証明書、パスポートなどの偽造防止にも使用されています。光を反射する特性があるため、コピー機では光の反射が再現できず、偽造が困難だからです。
| 光沢 | あり |
| 質感 | ツルツルとした指触り |
| 相性がいい加工 | 特になし |
| 主な用途 | ・キャンペーンシール ・ノベルティステッカー ・文書の偽造防止シール など |
以下は、ホログラムシールの制作事例です。
ほかのホログラムを使用した制作事例は、次の記事をご覧ください。
パール紙:上品な光沢を演出し、高級感がある
パール紙は、真珠のような光沢が特徴です。インクの発色も綺麗で、高級感を演出できます。ツヤ感や立体感を出したい場合に最適です。きめが細かく、質の良い輝きを持っています。
ボトルの曲面に貼り付けると、パール紙の持ち味が一層引き立つ用紙です。
| 光沢 | あり(微光沢) |
| 質感 | ツルツルとした指触り |
| 相性がいい加工 | ・箔押し加工 |
| 主な用途 | ・高級な食材のラベル ・化粧品のラベル ・お酒のラベル など |
塩ビ:屋外での使用に、最適な耐久性と耐候性がある
塩ビ (エンビ)は、耐久性と耐水性が高いため、屋外用のシールにも最適な用紙です。
塩ビには、「白塩ビ」と「透明塩ビ」があります。白塩ビは、白色のフィルムシールで、その上にカラー印刷が施されるタイプです。一方、透明塩ビは、白色を印刷せず直接カラー印刷するため、ステンドグラスのように透けて見える特徴があります。
また、黒・赤・青・黄・緑といった「色塩ビ」も存在しますが、色が限定されるため使用頻度は低く、主に工業系の注意銘板などに利用されている種類です。
| 光沢 | あり(グロス)・なし(マット) |
| 質感 | ツルツルとした指触り |
| 相性がいい加工 | ・箔押し加工 |
| 主な用途 | ・高級な食材のラベル ・化粧品のラベル ・車のステッカー ・スノーボードのステッカー ・ヘルメットステッカー など |
以下は、塩ビを使用したポッティングシールの制作物です。
素材の特徴を知り、最適な用紙を選ぼう
シールの用紙には、さまざまな種類があります。自作も可能ですが、適切でない用紙を選ぶとシールが剥がれたり、インクが滲んでしまったりすることもあるため、注意しなければなりません。
商品用のシールやラベルを制作する際は、印刷会社への依頼をおすすめします。印刷会社は、専門的な技術と設備が整っているため、高品質なシール制作が可能です。
当社では、多種多様なシール用紙を取り揃え、お客様のご要望に合わせてオーダーメイドでシールやラベルを制作しています。素材選びから商品の完成まで、丁寧にサポートしていますので、お気軽にお問い合わせください。