シール加工のメリットや種類は?制作時の注意点、事例なども紹介
シールにラミネートや箔押しなどの「加工」を追加すると、光沢・立体感・耐久性など通常印刷では得られない付加価値を与えられます。本記事では、シール加工のメリットや種類だけでなく、用途や制作時のポイントなどもご紹介します。シール加工を用いた制作をお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
当社では、加工を施した商品ラベルをオーダーメイドで制作しています。イメージどおりの商品ラベルやシールが仕上がるように、丁寧にサポートを行っていますので、お気軽にご相談ください。
シール加工とは?メリットについて紹介
シール印刷における加工とは、印刷するシールに手を加えて質を高めることです。例えばラミネート加工や箔押し加工は、商品パッケージなど身近なところで活用されています。
加工にはいくつか種類があり、それぞれに特徴があります。ここではシール加工の主なメリットについてご紹介します。
メリット1 機能性が向上する
シール加工をするメリットの一つ目は、印刷面を保護し耐水性・耐久性や強度を向上させたりシールを剥がしやすくしたりなど、機能性を強化できることです。
シール加工によってこれまでになかった機能が追加され、加工なしのときより利便性が向上します。新しい使い方ができるようになることで使用用途が拡大し、シールの価値を高めることができます。
メリット2 特別感・高級感を演出できる
加工を施すことで、通常の印刷物とは違う特別感や高級感を演出することができるのもメリットの一つです。
例えば箔押し加工やラミネート加工では、印刷面に光沢を与えることができます。またエンボス加工やポッティング加工によって、立体感を出して陰影を付けたりすることもできます。
加工でシールに光沢感や立体感を出すことで、ひときわ目を引くシールを制作することができるでしょう。
メリット3 デザイン性を高めることができる
シール加工で光沢やツヤ、立体感など表現の幅が広がることにより、デザイン性を高めることができます。
斬新でオリジナリティのあるデザインを生み出すことも可能で、デザイン性が求められるようなファッションやアートなどの業界のシールにもおすすめです。
シール加工の種類
次に、シール印刷における加工の代表的な種類をご紹介します。
- ラミネート加工
- 箔押し加工
- エンボス加工
- シルク印刷
- ポッティング加工
- 糊殺し加工
種類1 ラミネート加工
ラミネート加工とは、シールの表面にポリプロピレン(PP)フィルムなどの透明なフィルムを貼ることで、表面を保護し、光沢やツヤ消し効果を出す加工のことです。このラミネート加工には「光沢ラミネート」「マットラミネート」の2つの種類があります。
「光沢ラミネート」には、ツヤがあるタイプのフィルム素材を使用します。印刷面に艶やかな輝きを与え、色合いを鮮やかに見せる効果があるため、華やかな仕上がりにしたいときにおすすめです。
「マットラミネート加工」では、ツヤがないタイプのフィルム素材を貼り付けます。光の反射を抑えて落ち着いた印象、高級感を演出することができます。また光の反射がないため文字などが読みやすいのも特徴です。
ラミネート加工について詳しく知りたい方は以下をご参照ください。
種類2 箔押し加工
箔押し加工は、金や銀、ホログラムなどの箔をシールに押して、高級感や特別感を演出する加工のことです。
ブランドのロゴや商品パッケージなどに使用すると、インパクトのある仕上がりとなり他社との差別化に役立ちます。さまざまな素材に対応でき、印刷対象の厚みに制限がないため自由度が高い点も箔押し加工の特徴です。
箔押し加工について詳しく知りたい方は以下をご参照ください。
ホログラム箔押しの特徴やメリット!知っておきたい注意点も紹介
種類3 エンボス加工
加圧することで用紙に凹凸をつけ、文字や絵柄を部分的に浮き立たせる加工がエンボス加工です。
印刷ではなく凸凹のみでラインを表現するため、控えめながら上品で高級感のある印象に仕上げることができます。エンボス加工にはフィルム素材ではなく紙素材が適しています。また細かいデザインには向いていません。
エンボス加工について詳しく知りたい方は以下をご参照ください。
種類4 シルク印刷
シルク印刷は、インクに厚みを持たせることができます。デザインを強調したり曲面や立体形状の商品にも使用したりすることが可能です。
インクが剥げにくく、屋外で使われる看板やステッカーなどにも使われています。多色印刷には不向きですが、幅広い素材に対応できるため、さまざまなシーンで使いやすい印刷方法です。
シルク印刷について詳しく知りたい方は以下をご参照ください。
シルク印刷とは?オフセット印刷との違いや印刷工程を6ステップで解説
種類5 ポッティング加工
ポッティング加工とは、シールの表面に透明な樹脂を盛り上げてドーム状の立体感を表現する加工です。樹脂盛りシール、ドーミングシールと呼ばれることもあります。
加工を施すことで耐水性、耐久性が向上し、屋外使用も可能になります。ほかと比較してコストが高い加工ですが、見た目の良さと耐久性から、業界問わず多くのロゴマークや商品名のエンブレムなどで支持されています。加工の性質上、丸や四角などのシンプルな形状のシールに適しています。
ポッティング加工を施したシールについて詳しく知りたい方は以下をご参照ください。
ポッティングシールを解説 | シールに樹脂を盛る特殊加工を紹介
種類6 糊殺し加工
ニスやフィルムを用いて、糊面の粘着力をコントロールする加工技術が糊殺し加工です。糊殺し加工を施した部分は粘着性がなくなります。
シールが部分的に飛び出しているアテンションシール(POPシール)などで使用することで、商品を視覚的にアピールすることができます。シールを剥がしやすくする効果があり、そうした目的でも活用される加工方法です。
糊殺し加工について詳しく知りたい方は以下をご参照ください。
印刷会社との連携が大切!加工シールを制作する際の注意点
加工シールを制作する際には、以下の3つのポイントに注意しましょう。
- 余裕を持ったスケジュールで制作する
- 多めの発注で単価を抑える
- 加工に応じたデザインや素材を選択する
注意点1 余裕を持ったスケジュールで制作する
シール加工を行う場合、工程が増えるので通常の印刷より納期が長くなります。そのため、希望の納期から逆算して発注するなど、制作のスケジュール管理が重要になります。制作の企画段階で、事前に印刷会社へ相談するとよいでしょう。
注意点2 多めの発注で単価を抑える
シールを加工すると通常のシール印刷よりコストがかかり、小ロットの場合は特に単価が高くなる傾向があります。量をまとめて制作することで、単価を抑えるのがおすすめです。
注意点3 加工に適したデザインや素材を選択する
加工によっては、使用できる用紙が限られるなどの制限が生まれることもあります。
使いたい加工がある場合は、どのような制約があるのか印刷会社へ事前に確認しておくと安心です。
当社では、デザインや素材選びでお悩みの方からのご相談もお受けしています。シール制作や加工をご検討中の方はぜひ「お問い合わせ」からご連絡ください。
加工シールの制作事例
最後に、当社で制作した加工シールの事例を4つご紹介します。
- 【ラミネート加工】エクスプロージョン合同会社 ノベルティシール
- 【箔押し加工】株式会社ヨロッコビール ラベル
- 【エンボス加工】ホーリーライブ株式会社 ラベル
- 【ポッティング加工】羊サンライズ ノベルティシール
事例1 【ラミネート加工】エクスプロージョン合同会社 ノベルティシール
プロテインなど健康食品の販売やスポーツジムの運営を行うエクスプロージョン合同会社のノベルティシールを、光沢ラミネート加工で制作しました。
ユポという合成紙に光沢ラミネート加工で保護してあるため、屋外での利用にも適しています。また、スマートフォンなど使用頻度が高い物に貼った際も劣化しにくくする効果があります。
制作事例について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
事例2 【箔押し加工】株式会社ヨロッコビール ラベル
ヨロッコビールのWashed outのラベルは、クラシカルで涼しげなデザインが特徴です。
ラベルデザインには、黒と水色の2色に加え、金の箔押し加工を施しました。素材は耐水性があるユポ80μの水溶強粘着を使用し、缶に貼った状態でも水滴や湿気に強いラベルに仕上げています。
制作事例について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください
事例3 【エンボス加工】ホーリーライブ株式会社 ラベル
サプリメントの入るパウチに貼るラベルの制作事例です。
エンボス加工で模様、箔押し加工でロゴをプリントし、少ない色数で非常に高級感のある仕上がりになりました。全体にエンボスを施すことで、リズミカルな立体感がさりげなく表現されています。
制作事例について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください
事例4 【ポッティング加工】羊サンライズ ノベルティシール
こちらはジンギスカンレストランのノベルティとして配布するロゴシールの制作事例です。
シールの付加価値を高めるため、ポッティング加工を採用しました。シールと台紙が同じ形の全抜き(ブチ抜き)仕上げにすることで、ノベルティとして配布しやすいシールになっています。
制作事例について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください
シール加工の特徴を知って制作しよう
シールに加工を施すことで、訴求力を高めたり新たな機能性を持たせたりすることができ、シールそのものの価値が高まります。
シール加工は販売用のシールや商品ラベル、アテンションシール、ノベルティシールなど幅広い場面で活用されています。加工によりシールの質を高めることができる反面、コストや納期がかかり、デザインや素材にも向き不向きがあることには注意が必要です。
当社では、記事内で紹介したように、使用目的に合わせたさまざまな加工を用いて商品ラベルやシールを制作しています。
商品ラベルやシール制作についてお悩みの方は、糊選びから丁寧にサポートいたしますので、お気軽にお問い合わせください。