箔押し加工とは?特徴や効果、制作時の注意点についても解説
箔押し加工は、金属箔の反射によって、通常のインク印刷では出しにくい高級感と存在感を加える加工です。一方で、細かい文字や繊細なデザインは再現が難しい場合があり、コストも通常の印刷より高くなる傾向があります。デザインを固める前に、この2点は確認しておきたいところです。
※ 箔押し加工を「シール・商品ラベル」に適用して制作をご検討中の方は、先に製品ページをご確認ください。用途・素材・数量・使用環境を踏まえた仕様設計の判断ポイントと、概算見積りの考え方をまとめています。
箔押し加工とは?特徴や仕組みを紹介
箔押し加工とは、金箔や銀箔などの「箔」を、熱と圧力で素材に転写する加工です。「ホットスタンプ」とも呼ばれます。
箔の色と質感がそのまま仕上がりに出るので、インクだけの印刷より華やかで、高級感のある見た目になります。特別感を出したい商品や販促物に採用されています。
箔押し加工の特徴
光沢が際立つため、ブランドのロゴや商品パッケージでは視覚的なインパクトが強まり、顧客の記憶にも残りやすくなります。
面全体でなく、文字やロゴだけに施しても、ほかの商品との差別化に効果的です。食品、飲料、コスメ、名刺などで使われています。
箔押し加工の仕組み
- デザインに基づいて版を作成する
- 使用する箔を選定する
- 箔押し機を使用して転写する
この中で難しいのは3番目の転写です。版の圧力、温度、機械の加工スピードを細かく調整しないと、面積の大きい箔の部分でピンホール(箔がうまく転写されない部分)が出ることがあります。職人の技術が求められる工程もあります。
当社が箔押し加工で気をつけている点は、次の表のとおりです。
| こだわりポイント | 詳細 |
| 熱圧着による転写 | 温度が高すぎると箔が溶け、低すぎるとうまく転写されないため、適切な温度に調整している |
| 圧力の微調整 | 圧力が高すぎると細かい文字が潰れ、低すぎるとカスレが生じるため、慎重に調整している |
| 適切な箔の選定 | 同じ金箔でも品番により仕上がりが異なるため、紙との相性を考慮して最適な品番を選ぶ |
| チリの防止対策 | 転写部分に小型の扇風機を設置し、空気中の微粒子が混入しないよう配慮している |
| 箔版の品質 | 粗雑な箔版では仕上がりに影響するため、熟練の職人技術を持つ業者に依頼している |
加工方法の詳細は、以下の記事にまとめています。
箔押しシール | 加工方法から色の種類、良品の見分け方を解説
箔押し加工の主な特徴
- デザインを際立てられる
- 加工できる素材が多い
- 厚さに制限がない
効果1 デザインを際立てられる
いちばん分かりやすい利点は、高級感が出ることです。箔には光沢のあるものとマットなものがあり、どちらを使っても人の目を引きやすくなります。デザインの存在感が上がり、受け取った人の記憶にも残りやすく、特別感のある印象を与えられます。
効果2 加工できる素材が多い
紙はもちろん、フィルムや一部の樹脂素材にも加工できます。ただし、素材の表面性や使用環境によって転写性と耐摩耗性が変わるため、使いたい素材が決まっている場合は、その素材で加工できるかを先に確認しておきます。
効果3 厚さに制限がない
厚手のカードや革製品にも箔押しできます。上からプレスする仕組みなので、対象物の厚みが加工の妨げになりません。
逆に薄い紙では、プレスの影響が裏面に出ることがあります。薄手の素材は、印刷会社での事前確認が前提です。
加工に使用する箔の種類
- 金箔・銀箔
- カラー箔
- ホログラム箔
種類1 金箔・銀箔
高級感や特別感を出したいなら、最初の候補は金箔・銀箔です。箔押しの中で最も一般的な種類で、艶のある光沢が出ます。文字やデザインを強調しやすく、華やかな印象にしたいときにも向きます。
金箔は色味の違う2種類があり、銀箔は合わせる紙の色で印象が変わります。
| 種類 | 特徴 |
| メタリック金箔(村田金箔3号金) | ・最も一般的に使用される金箔 ・「青金」とも呼ばれ、やや青みがかった金色 |
| メタリック金箔(村田金箔6号金) | ・関西地方でよく使用される金箔 ・「赤金」と呼ばれ、やや赤みがかった金色 |
| 銀箔 | ・洗練された印象を演出できる ・白系の紙に使用すると上品な仕上がりになる ・黒系の紙に使用すると高級感のある仕上がりになる |
種類2 カラー箔
カラー箔は色のついた箔の総称で、光沢のあるものとないものがあります。艶がないのは顔料や樹脂でつくられた顔料箔で、質感はマットです。クレヨンのような発色で光を反射しないため、金箔や銀箔のように輝くのではなく、落ち着いた印象になります。
光沢のあるタイプもあるので、デザインに合わせて選べます。耐久性に優れ、長く美しい状態を保てる点や、色数の多さも特徴です。
種類3 ホログラム箔
ラメが散りばめられたようにキラキラと輝くのがホログラム箔です。市販の缶バッジやお菓子のおまけシールでよく見かけます。光を多く反射するため、明るく賑やかな印象になります。
星型やハート型など、形や色の種類もあります。使い方によっては安っぽく見える場合もあるので、デザインとの相性は、使う前に見極めておきたいところです。
箔の色数については、以下の記事で紹介しています。
箔押しシール | 加工方法から色の種類、良品の見分け方を解説
箔押し加工にエンボス加工を施すと特別感が演出できる
見た目に加えて、触ったときの質感も変えたい場合は、エンボス加工との組み合わせがあります。光沢に凹凸が加わるためです。エンボスとは、デザインや文字を浮き上がらせる加工のことです。ブランドイメージを強く打ち出したい印刷物や、他と違う仕上がりにしたい場合に向いています。
エンボス加工そのものは、以下の記事で解説しています。
箔押し加工の制作事例
当社で制作した、箔押し加工のラベル・シールの一部を紹介します。素材や箔の組み合わせの参考にしてください。
- ホーリーライブ株式会社様 エンボス+箔押しシール
- 株式会社ブルーノート様 箔押しシール
- オリジナル 箔押しエンボスシール
事例1 ホーリーライブ株式会社様 エンボス+箔押しシール
ホーリーライブ株式会社様のプリント用パッケージシールを、2種類制作しました。鮮やかなグリーンを1色印刷し、その上にエンボスと金の箔押しを重ねています。
- 材質:上質55kg
- 加工:エンボス、箔押し加工(村田金箔No,111)
使った箔は、マットなシャンパンゴールドです。金色としては控えめでも高級感があり、人気のある種類です。そこにエンボスの凹凸が加わり、見た目だけでなく手触りからも印象が伝わります。
この事例の詳細は、以下のページに掲載しています。
事例2 株式会社ブルーノート 箔押しシール
株式会社ブルーノート様の商品ラベルです。箔押しを施し、高級感のある仕上がりにしています。
- 素材:ユポ80μ(冷食用粘着)
- 加工:箔押し加工(村田金箔/OG3合金)
冷凍・冷蔵の商品に箔押しを考えるとき、気になるのは素材が環境に耐えるかどうかでしょう。この事例では、ユポ80μに冷食用粘着を組み合わせています。ユポは耐水性に優れ、冷凍・冷蔵環境でも品質を保てます。箔にはOG3合金の金箔を使い、ラベルに上品な輝きを加えました。
詳しい内容は、以下のページをご覧ください。
事例3 オリジナル 箔押しエンボスシール
デザイナー向けの印刷情報誌「デザインのひきだし43」用に、オリジナルのシールを制作しました。デザインは「GOOD VIBES(イイ感じ)」というメッセージです。
- 素材:和紙コットン(水溶強粘着)
- 加工:銀箔押し、エンボス
素材は和紙コットンで、水色1色を印刷したあとに銀艶の箔押しを施し、エンボスで凹凸をつけています。個性を出す手段は金箔だけではなく、この事例のように銀箔でも成り立ちます。
この事例の詳細は、以下のページに掲載しています。
箔押し加工する際の注意点
- 通常の印刷よりもコストがかかる
- 細かい文字やデザインは潰れやすい
- 紙素材に凹凸がある場合はムラになりやすい
注意1 通常の印刷よりもコストがかかる
箔と版という専用の材料が必要になるため、その分の材料費と加工費が通常の印刷に上乗せされます。数量が多い場合や複雑なデザインでは、さらに費用が増える可能性があります。デザインを仕上げてから予算に合わないと分かる、という順番は避けたいので、料金の目安はデザインを詰める前に把握しておくと、手戻りがありません。
当社では、箔押しシールの概算見積もりを提供しています。詳細は以下をご覧ください。
箔押しシールでさらに印象的な商品へ。カラーバリエーションも豊富です。
注意2 細かい文字やデザインは潰れやすい
細い文字や線は、箔押しの圧力で潰れやすい部分です。デザインの段階から、太さとサイズを意識しておく必要があります。
どこまで細くできるかは、加工条件と箔の種類で変わります。数値だけで判断せず、限度見本で実際の再現状態を見て決める方が確実です。フォントサイズと線幅ごとの再現状態は、以下の記事に実測結果を載せています。
▶ 箔押しシールの最小フォント・最小線幅の目安(限度見本あり)
依頼するときは、文字やデザインを大きめにつくり、潰れて読みにくくならないかを印刷会社に見てもらえば、潰れの有無を事前に判断できます。「どこまで再現できるか」「どの程度の線幅・文字サイズなら安全か」を発注前に知りたい場合は、箔押しシール製品ページの仕様判断ポイントも参照できます。
参考として、当社の箔押しシールの最小サイズの目安を挙げます。
- 最小書体:5pt(約1.8mm)
- 最小線幅:0.3〜0.5pt(約0.1〜0.18mm)
この数値は、限界検証用のテストピースを実際に作成し、量産時の再現性を基準に設定した目安です。フォントサイズ・線幅ごとの仕上がりの差を実物ベースで見たい場合は、次の記事をご参照ください。
箔押しシールの最小フォント・最小線幅の目安(実測データあり)
注意3 紙素材に凸凹がある場合はムラになりやすい
凸凹のある紙素材は、箔押しでムラが出やすい素材です。
紙の表面に凸凹があると、箔を転写するときに圧力が均一にかからず、空気が入り込んで箔が定着しにくくなります。仕上がりのムラはここから出ます。箔を広い面積に施す場合は特に、小さな穴やムラが出ることがあります。
箔押し加工で高級感のあるシールを制作しよう
箔押しは、ブランドのロゴや商品ラベル、宣伝用のラベルなど、見せたい部分に高級感と華やかさを足す加工です。コストがかかる点と、細かいデザインが潰れやすい点を踏まえてデザインと素材を検討すれば、美しい仕上がりを目指せます。
当社では、記事内で紹介したような商品ラベルやシールを、量産を前提とした仕様設計から対応しています。用途・素材・数量・使用環境が分かる範囲で構いませんので、仕様相談・お見積りをご依頼ください。
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