箔押しシールの最小フォント・最小線幅の目安|データ作成前に必ず確認
商品に貼付されるシール・ラベルは、容器形状や表示面積の制約により、どうしても文字や線が小さくなるケースがあります。通常の印刷であれば、3pt程度の文字や非常に細い線でも比較的きれいに再現できますが、箔押し加工は熱・圧・箔転写という物理的工程を伴うため、印刷と同じ感覚での設計はできません。
では、箔押しシールを量産前提で制作する場合、Adobeイラストレーター上でどこまでの文字サイズ・線幅が安全なのか。
本ページでは、実際に限度検証用のテストピースを作成し、実務上の安全ラインとなる最小フォント・最小線幅の目安を整理しています。デザイナーの方、入稿データを作成されるご担当者様は、発注前の判断材料としてご活用ください。
※ 箔押し加工の全体像や加工工程については、以下の記事で詳しく解説しています。
▶箔押しシール | 加工方法から色の種類、良品の見分け方を解説
検証に使用した限度見本の仕様
今回の検証では、以下の条件で限度見本を作成しました。
- 素材:アートコート紙 73kg
- 箔:村田金箔 Gold No.3
- 版:マグネ版
- フォント:A-OTF 中ゴシックBBB Pro Medium
- フォントサイズ:4pt〜7pt
- 線幅:0.2pt〜0.5pt
- 凸文字・ベタ文字の両方で検証
なお、フォントサイズ4ptは実寸でおよそ 1mm角程度 となり、
文庫本の本文サイズ(8〜9pt)と比べると、かなり小さい文字サイズです。
箔押しの最小フォントサイズの目安は「5pt以上」
検証結果は以下の傾向となりました。
- 4ptでも転写自体は可能
- ただし輪郭が甘く、エッジが潰れやすい
- 量産時に不良率が上がりやすい
そのため、実務上の安全ラインとしては最小フォントサイズは5pt以上を推奨します。
ロゴや商品名など、視認性や品質が重視される要素については、可能であれば 6pt以上 を確保する方が安定します。
小ロットであれば許容できるケースもありますが、量産品質・歩留まりを重視する場合は5pt未満は避ける設計が望ましいと考えています。
箔押しの最小線幅の目安は「0.3〜0.5pt以上」
線幅については、以下の傾向が確認できました。
- 凸文字(細線):0.3pt以上で比較的安定
- ベタ文字・面積のある部分:0.5pt以上が安全
- 0.2ptではカスレ・欠け・ムラが発生しやすい
pt換算では分かりづらい場合、実寸の目安は以下となります。
- 0.3pt:約0.10mm
- 0.5pt:約0.18mm
特にベタ面積がある場合、圧力・温度・素材の影響を受けやすく、
微細な凹凸によって転写ムラが発生しやすくなります。
箔の種類によって再現性は大きく変わります
今回の検証では、再現性の高い 村田金箔 Gold No.3 を使用していますが、
箔の種類によっては細線や小文字の再現に向かない品番も存在します。
特に注意が必要なのは以下のケースです。
- マット系箔
- 顔料系カラー箔
- ホログラム箔
これらは装飾性が高い反面、
細線・小文字では転写ムラや欠けが発生しやすい傾向があります。
細かいデザインで箔押しを検討している場合は、
箔の品番選定も含めて事前に仕様相談されることを強く推奨します。
発注前に必ず確認しておきたい設計ポイント
箔押しシールの設計では、以下を事前に整理しておくことで量産トラブルを防げます。
- 最小文字サイズは5pt以上確保できているか
- 最小線幅は0.3〜0.5pt以上あるか
- ベタ面積が過度に広くなっていないか
- 使用素材と箔の相性は問題ないか
- 想定数量での不良率を許容できる設計か
仕様設計を誤ると、「初回試作はきれいだが、量産で不良が増える」というケースも少なくありません。
デザイン段階での判断が、そのままコストと品質に直結します。
ここまでご紹介した最小文字サイズ・線幅の基準は、あくまで設計判断の一要素です。
実際の仕様決定では、素材・箔の種類・貼付環境・数量によって最適条件が変わります。
箔押しシールの製品ページでは、用途・条件別にどのように仕様を設計していくか、発注前に整理すべき判断ポイントをまとめています。
箔押しシールの仕様設計について詳しく知りたい方へ
箔押し加工は、単にデザインを箔に置き換えるだけではなく、以下も含めて設計することで量産品質が安定します。
- 素材選定
- 箔の品番
- 線幅・面積設計
- 使用環境(冷凍・屋外など)
用途・数量・素材がある程度決まっている場合は、
製品ページにて仕様設計の考え方と見積りの流れをまとめています。
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