ミシン目加工とは?特徴や加工方法、制作事例を紹介
ミシン目加工は、短い切り込みとつなぎ部分を一定間隔で入れて、ラベルや印刷物を手で切り取れるようにする加工です。ラベルでは、封印シールを開けやすくしたり、多層ラベルの表紙を切り開いたりする用途に使われます。
切れやすさを決めるのは、間隔だけではありません。素材の厚さや強度、ラミネートの有無、ミシン目を入れる位置でも仕上がりが変わります。
ミシン目加工とは
切り込みの間には、つなぎ部分が残っています。全部を切断してしまわないので、使うまでは一体の状態を保ち、必要になったときだけ手で切り離せます。
ラベルで使う場面は、開封防止の封印シール、多層ラベルやリーフレットシールの開封部分、切り取って使うクーポンや応募券、不要な部分を取り外す商品ラベル、使用時に切り離す注意書きや説明部分などです。
折り曲げやすくしたいだけなら、素材や形状によってはミシン目より筋押し加工の方が向く場合があります。加工を決める最初の分岐は、切り離す必要があるのか、曲がれば足りるのかです。
ミシン目加工の種類
通常ミシン目
一定の長さで切り込みとつなぎ部分を繰り返す、一般的なミシン目です。開封時に手で切り取る封印シールや多層ラベルは、この加工を使います。
当社では、標準的な仕様として次の3種類に対応しています。
- カット1mm・スペース1mm
- カット2mm・スペース1mm
- カット3mm・スペース1mm
カットの数字が大きいほど切り離しやすくなります。その一方で、輸送中や貼付作業中に切れてしまう可能性も出てきます。どこまで切れやすくするかは、使う前に切れてほしくない度合いとの兼ね合いで決めます。
マイクロミシン
通常より細かい間隔で切り込みを入れるため、ミシン目が目立ちにくく、切り離したあとの切り口も整えやすい加工です。
見た目を重視する商品や細かな印刷物に向いています。ただ、通常のミシン目より加工費が上がる場合があるので、見た目にどこまで手をかけるかで判断が分かれます。
ミシン目加工で切れやすさを決める要素
切り込みとつなぎ部分の長さ
切り込みが長く、つなぎ部分が短いほど、少ない力で切り離せます。開けやすさを追うほど、貼る作業や輸送の途中で意図せず破れる可能性があります。使うまで切れず、開けるときは軽い。この両方を満たす長さを探すのが設計です。
素材の種類と厚さ
紙で決めたミシン目の仕様を、素材だけフィルムに替えて流用する。この組み合わせは切れ方が変わるので気をつけたい場面です。紙は比較的切り離しやすいのに対し、PETやユポなどのフィルムは、素材の強度や厚さによって切れにくいことがあります。フィルムに加工するなら、ミシン目の位置やピッチまで含めて、事前に確認しておきたいところです。
ラミネートの有無
ラミネートがあると、切る対象はラベル素材とラミネートの両方になります。厚さや材質によっては、ミシン目の部分が切れにくくなることもあれば、反対に裂けやすくなることもあります。表面を保護したい、けれど開けやすくもしたい。両方の要望があるときは、ラミネート単体ではなくラベル全体の構成を見て仕様を決めます。
ミシン目を入れる位置
ラベルの端に近すぎる位置や、細くくびれた部分は、貼付中に破れる可能性があります。文字やバーコードの上にミシン目が重なると、開封前の読みやすさにも影響します。
デザインがほぼ固まった段階で、ミシン目を入れたい位置が端に寄りすぎていたと分かると、図案を直すことになります。ミシン目の位置と必要な余白は、デザインを作り込む前に印刷会社へ確認してください。
ミシン目加工を用いた商品ラベルの制作事例
封印シール
ミシン目が入った封印シールです。店頭に並ぶ商品の開封を防ぎ、未開封であることも示せます。食品や化粧品に使われることが多く、ミシン目を入れることで切れやすくなっています。
多言語表記ラベル
当社で制作した、ミシン目入りの多言語表記ラベルです。複数の言語で同じ内容を載せるラベルで、多層ラベルやリーフレットシールとも呼ばれます。日本語、英語、中国語、フランス語など、商品や輸送パッケージに多言語の注意書きや説明が必要な場面で使います。
ページごとに折りたたむ仕様で、ミシン目に沿って順に開いていくと、必要な情報を確認できます。
ミシン目加工を発注する際に必要な情報
見積りや加工の可否を確認するときは、次の情報を教えてください。
- ラベルの用途
- 仕上がり寸法
- 予定数量
- 使用する素材
- ミシン目を入れる位置と本数
- 開封前に必要な強度
- ラミネートの有無
- 貼る製品や容器の形状
素材もミシン目の間隔も未定の段階で構いません。実際にどう使うのかが分かれば、仕様は検討できます。
複雑な形状、曲線、斜め方向のミシン目は、専用の抜型が必要になる場合があります。こうした形状を考えているときは、デザインデータか簡単な図を用意しておいてください。
請求書やアンケートはがきなど、個人情報を含む郵送物の開封防止にミシン目を使う場合は、封緘構造も含めて検討する必要があります。
ミシン目加工に関するよくある質問
フィルム素材にもミシン目を入れられますか?
対応できる素材はあります。紙とは切れ方が違うため、素材の種類と厚さを確認したうえで加工方法を決めます。
曲線のミシン目も加工できますか?
形状によっては対応できます。直線のミシン目より加工方法が限られ、専用の抜型が必要になる場合があります。
量産前に切れ方を確認できますか?
有料試作に対応しています。切り離しやすさや貼付時の強度を重視する場合は、量産前に試作で確認しておくと安心です。
まとめ|用途に合わせて切れやすさを設計する
ミシン目加工は、切れやすくすればよいというものではありません。用途によって、開けやすさと使用前の強度のどちらを優先するかが変わります。
貼付工程を含めて、使用前にどこまで切れてほしくないか。その基準を先に置くと、素材、ラミネート、ミシン目の位置も同じ物差しで決められます。
法人向けラベル・シール印刷のご相談
貼る製品や使用環境、寸法、予定数量が分かる範囲でご相談ください。
素材や加工が決まっていない場合も、用途に合わせて整理しながらご提案します。
通常2時間〜半日以内に回答します。