バーコードシールを作る前に知っておきたいこと

バーコードシール 作り方

バーコードシールは、商品・部品・容器・梱包箱を識別し、在庫管理や物流、製造工程の管理につなげるためのラベルです。

白黒の単純な図形に見えて、読み取れるかどうかはバーコードの種類・サイズ・印刷色・余白・素材・貼付面で変わります。

メーカーや物流用途で問われるのは、印刷できるかどうかよりも、使用環境で安定して読み取れるかです。冷蔵・冷凍、水濡れ、薬品、曲面への貼付がある場合は、バーコードの設計だけでなく、シール素材と粘着剤まで含めて仕様を決める必要があります。

種類、素材、JANコード、読み取り不良の防ぎ方、印刷会社への伝え方。発注前に確認したい順に並べました。

法人向けバーコードシールの印刷イメージ
目次

バーコードシールとは

バーコードの中に商品情報が大量に入っていると思われがちですが、そうではありません。バーコードを印刷したラベルを商品・容器・部品・梱包箱に貼り、リーダーやスキャナで読み取っているのは番号です。その番号を在庫管理システムや商品データベースの情報と紐づけて使うケースが一般的です。使われる場面は次のとおりです。

  • 商品管理
  • 在庫管理
  • 入出庫管理
  • 製造工程管理
  • ロット管理
  • 物流・配送管理

バーコードは種類ごとに表せる文字や用途が違うため、仕様の検討に入る前に、どの情報を、どの工程で読み取るのかを整理しておきます。

バーコードの種類と特徴

使う規格は、業界や取引先、社内システムの側で決まっている場合があります。用途別の主な規格は下表のとおりです。

種類主な用途・特徴
JAN(EAN・UPC)一般消費財などの商品識別に広く使用されるバーコード。日本ではJANコードと呼ばれています。
ITF物流用途で使用されるバーコード。段ボールなどの集合包装に使用されることがあります。
CODE128数字・英字・記号を扱えるバーコード。製造・物流・医療など幅広い用途で使用されています。
CODE39数字・英字・一部の記号を表現でき、工業用途や部品管理などで使用されています。
NW-7数字・一部の英字・記号を扱えるバーコード。図書管理や配送などで使用されてきた規格です。

印刷会社へ相談する前に、使う規格とコードデータが決まっているかを確認しておくと、仕様の検討がスムーズです。

バーコードシールで最も重要なのは読み取り精度

印刷データの上では問題なく見えるので、そのまま量産に進めたくなる場面はあります。しかし、印刷条件や貼付方法によってバーの線が太ったり細くなったりすると、読み取り性能に影響する可能性があります。バーコード周囲の余白、背景色、光沢、貼付面の曲がりも読み取りに影響します。

デザイン性より優先するのは、スキャナで安定して読み取れることです。量産用途では、データだけで判断せず、実際の印刷物を使用予定のスキャナで読み取れるかを確かめておきたいところです。

バーコードの読み取り不良を防ぐ6つのポイント

1.背景とバーコードの色を明確に分ける

パッケージの配色に揃えて、バーコードもブランドカラーで、という要望は出やすいものです。ただ、リーダーの方式によっては赤系の色を読み取りにくい場合があります。ブランドカラーで印刷したいときは、実際の読み取り環境で確認してから量産します。

読み取りを左右するのはバーと背景のコントラストで、判断しやすいのは白い背景に黒いバーの組み合わせです。特別な理由がなければ、バーコード部分は黒を基本に設計します。

2.バーコード周囲の余白を確保する

バーコードの左右には、読み取りに必要な余白があります。バーのすぐ近くに文字・枠線・デザイン要素を置くと、読み取りに影響する場合があるので、レイアウトはバーコード本体だけでなく周囲まで含めて確認してください。

3.規格に合ったサイズで作成する

JANシンボルの標準サイズは横37.29mm×縦25.93mmで、0.8倍から2.0倍の範囲で使用できます。ほかの規格にも、サイズや比率の条件があります。

デザインが固まったあとで置き場所を探すと、縮小するしかなくなる場合があります。限られた表示スペースへ無理に縮小すると読み取り不良につながる可能性があるため、商品デザインを決める段階でバーコードの場所を確保しておきます。

4.素材と表面状態を確認する

水濡れ、油、薬品、摩擦のある環境では、バーコード部分の印刷がにじんだり擦れたりして、読み取り性能が低下する可能性があります。そのため、環境に耐えるシール素材や表面加工を選びます。基準は、使用期間の途中で線が欠けたり汚れたりしないかどうかです。

5.強い光沢や反射に注意する

光沢の強い素材や表面加工では、読み取り時の光が反射する場合があります。ラミネート加工や光沢素材を使うなら、見た目で決めきらず、実際の読み取り条件でも確認して仕様を決めます。

6.曲面へ貼る場合はバーコードの変形に注意する

ボトルや円筒容器に貼ったあと、バーコードが大きく湾曲して読み取りにくくなる場合があります。容器の直径、シールの寸法、バーコードの向きまで含めて設計し、必要に応じて実物で読み取りを確認します。

バーコードシールに使用される素材

素材は価格だけで決めず、貼付対象・使用環境・使用期間から選びます。

素材特徴・用途
上質紙光沢を抑えた紙素材。一般的な管理ラベルや表示ラベルなどに使用されます。
アート紙表面が比較的滑らかで、商品ラベルなど幅広い用途に使用されます。
ミラーコート紙光沢の強い紙素材。商品ラベルなど見た目を重視する用途にも使用されます。
PET耐久性が必要な用途に使われるフィルム素材。水濡れや摩擦がある環境などで検討します。
ユポ合成紙。紙より耐水性を必要とする用途などで使用されます。

素材と並んで、粘着剤の選定も欠かせません。次の条件で選び方が変わります。

  • 常温か冷蔵・冷凍か
  • 貼付面が平面か曲面か
  • 金属・樹脂・ガラス・段ボールなど、何へ貼るのか
  • 貼ったまま使用するか、後で剥がすのか
  • 水・油・薬品・摩擦の影響があるか

同じバーコードデータでも、使用環境が違えば適したラベル仕様は変わります。

JANコードの構成

JANコードは、日本の商品流通で広く使われている商品識別用のバーコードです。印刷会社が任意に作るものではなく、商品のブランドを持つ事業者が商品ごとにコードを設定し、JANシンボルとして表示します。

JANコードを表示した商品ラベルの制作例
制作例|多言語表記ラベル

番号は、主に次の要素で構成されます。

  1. GS1事業者コード
  2. 商品アイテムコード
  3. チェックデジット

新たにJANコードを使う場合も、自社で使うコードが正しいかを確認したうえで、印刷データとして支給するのが基本です。

固定バーコードと可変バーコードの違い

全数に同じバーコードを印刷するのか、1枚ずつ変えるのか。後者の可変仕様は、可変印刷が必要になります。

仕様用途例
固定バーコード同一商品へ同じJANコードなどを印刷する
可変バーコード製品番号・管理番号・シリアル番号などを1枚ずつ変更する
バーコードやQRコードの連番・可変印刷
製品一覧|連番・可変印刷

バーコード・QRコード・連番などの可変印刷については「連番・可変印刷の製品ページ」をご確認ください。

自社印刷と印刷会社への依頼

バーコードシールを社内プリンターで印刷するイメージ

ラベルプリンターがあれば、バーコードシールは社内でも印刷できます。必要な分を必要なタイミングで少量発行する運用なら、自社印刷が合う場合があります。商品ラベルとして一定の数量を継続して使う場合や、耐久性・粘着性・外観品質が求められる場合は、印刷会社への依頼が選択肢になります。

運用向いているケース
自社印刷少量・都度発行・社内管理用途など
印刷会社量産・商品ラベル・耐久性や外観品質を重視する用途など

数量だけでは決まりません。必要な品質、使用環境、運用方法まで含めて判断します。

バーコードシールを印刷会社へ依頼する際に伝える情報

すべての仕様が決まっている必要はありません。素材や粘着剤が分からないときは、「何に貼るか」「どのような環境で使うか」だけでも伝えてください。あわせて次の情報があると、仕様の検討がスムーズに進みます。

  • バーコードの種類
  • 固定データか可変データか
  • シールの寸法・形状
  • 貼付対象の材質
  • 平面・曲面
  • 常温・冷蔵・冷凍
  • 水・油・薬品などの影響
  • 必要な使用期間
  • 必要数量
  • 希望納期

可変印刷の場合は、バーコードに変換する元データの形式や件数も確認します。

バーコードシールを量産する前に確認したいこと

印刷の出来に加えて、使用環境に置いたときの状態まで見ておきます。

  • 使用するスキャナで読み取れるか
  • バーコードのサイズ・余白が適切か
  • 貼付後にバーコードが大きく変形しないか
  • 光沢や反射による影響がないか
  • 使用期間中に印刷が擦れないか
  • シールが剥がれたり浮いたりしないか

物流や製造工程で継続して使う場合は、貼付した状態のまま、実際の読み取り機器にかけて確認します。ここを省くと、読み取りトラブルは運用を始めてから表に出ます。

バーコードシールに関するよくある質問

バーコードのデータは印刷会社で作成してもらえますか?

バーコードの種類や運用方法によって異なります。JANコードなどの商品識別コードは、使用する事業者側で正しいコードを管理し、印刷データに反映する必要があります。ご相談の際は、使用予定のコードデータをご用意ください。

バーコードシールにはどの素材が適していますか?

貼付対象や使用環境で変わります。常温の屋内用途なら紙素材、水濡れや耐久性が必要な用途ならPETや合成紙を検討します。素材だけでなく、粘着剤も使用条件に合わせて選びます。

1枚ずつ違うバーコードを印刷できますか?

可変印刷を使えば、1枚ごとに異なるバーコード・QRコード・番号を印刷できます。管理番号やシリアル番号を個別に付ける用途に使えます。

バーコードは何色でも印刷できますか?

印刷自体はできる場合がありますが、色の組み合わせによって読み取り性能が変わります。特別な理由がなければ白背景に黒いバーで設計し、別の色を使うときは実際の読み取り機器で確認してください。

曲面にバーコードシールを貼れますか?

貼れますが、容器の曲率やシール寸法によっては、バーコードが湾曲して読み取りに影響する場合があります。容器の形状と貼る向きを確認してから仕様を決めます。

バーコードシールは「読み取れる状態」を基準に仕様を決める

バーコードデータを印刷できても、使う環境で安定して読み取れなければ意味がありません。分かれ目は、素材・粘着剤・貼付面といった使用条件まで含めて、貼った状態で読み取り機器にかけたかどうかです。

固定ではなく可変の仕様になるなら、先に確認しておきたいのは、バーコードに変換する元データの形式と件数です。

バーコード・QRコード・連番などを1枚ずつ変更する印刷をご検討の場合は「連番・可変印刷」もご覧ください。

関連ページ

バーコード・QRコード・連番の可変印刷

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