メタリックな原色に輝くシールの印刷が可能です。

メタリックカラー シール印刷


メタリックカラー シール印刷


本日はメタリックカラーのシール印刷を紹介します。

メタリックカラーなシールと聞くと、印刷に慣れている方は、「色箔」や「銀インク」を想像されると思います。たしかに色のついた箔押しも、シルバーのインクを練り込んだ特色印刷も、どちらもメタリック感を得られることが出来ます。

実はメタリック感を出すには下記のような方法もあります。

メタリック シール印刷



上記イメージのように、銀ツヤ素材に「ベタ」もしくは「アミ」を印刷することでメタリックなシールが出来上がります。ちなみに、シール印刷で使用されている金色の素材は、原紙メーカーが銀色の素材に半透明の黄色を印刷して金色を表現しています。つまり初めから金色の素材は無いんですね。

というわけで今回は、銀ツヤの素材に「ベタ」と「アミ」を印刷したメタリックカラーの表現方法をご紹介します。


印刷のベタ、アミとは?

ベタとは「全面印刷」の事を指し、アミとは「網」の事を指します。要は、印刷部分が「ベタ」なのか「アミ」なのかで、印刷の仕上がりを示す印刷用語になります。

ちょっと意味が分からないな?といったところでしょうか。アミの解説は下の図を見るとよく分かります。

印刷版のアミ


上記のような「印刷物」があったとします。左のグレーは薄く、右のグレーは濃くなっています。これをグレーのインクではなく、黒のインクのアミで印刷しているとします。そちらを解説します。(もちろんグレーのインクでの表現も可能ですが、今回はアミの説明なので)

印刷版のアミ


上記図でも分かる通り、アミとは「ドットの大きさ」になります。つまり、アミの%が低い場合は、ドットが小さく、余白が広くなるため色が薄く見えます。それとは逆に、アミの%が高い場合は、ドットが大きくなり、余白が狭いため色が濃く見えるのです。ちなみに印刷用語の「ベタ」は100%を指し、余白が一切ない全面印刷の事を言います。

紙モノになれているデザイナーさんは、「ここのグレーは墨の70%でいいやぁ〜」と言います。


メタリックカラーの版データ

シールの印刷にまず必要なのがアドビのイラストレーターデータ。そう、俗にいうイラレで作成したデータです。そちらでアミを、0~100%でデータを下記の通り作成しました。

シール印刷 網のパーセンテージ

0%は印刷が無く、10%から徐々にドットが大きくなり、100%がベタになります。もちろん濃度が100%のベタでもメタリックは再現できます。メタリック感を強くしたい場合は、アミの濃度下げると銀の面積が増えるため、シルバーの強いメタリックを再現できます。

今回は、いったい何%のアミが丁度良いのか調べてみます。


使用する素材

素材は、リンテックという原紙メーカーの銀ツヤ50μ(FNSツヤ50PAT1)を選定しました。鏡面とまではいきませんが自身の顔が映るレベルの銀ツヤです。工業系のラベルでよく使用されています。

銀ツヤ50μイメージ

印刷の具合

印刷はこのようになりました。インクはカラー4色のシアン(青)を選定しました。段階的に青が濃くなっていくのが確認できます。

カラーメタリック シール印刷

やはり10%からうっすらと青が目視で確認できますが、かなり薄い印象です。実物を見ると50%くらいからようやくブルーのメタリックになった印象があります。

カラーメタリック シール印刷

結果としてお勧めは80%以上でした。10〜60%は色が薄すぎる印象です。色の濃度をまとめると下記のようになります。

・50%:薄すぎる
・60%:薄い
・70%:若干青みがかってきた
・80%:青みががっている
・90%:ちょうど良い
・100%:ちょうど良い

ただ、注意する点としては、色によっては発色が若干異なるという事。特色は複数のインクを混ぜて作成します。その際に、異なるインク同士の添加により、インク自体の透明度が少しずつ失われているため遮光性が高まります。そうなると銀ツヤに蓋をしてしまう事になりますので、データの%を少し落としたりする工夫が必要になってきます。こういった事情があるので、特色の場合は事前に色校正を行うことをお勧めします。

銀を使用したメタリックな表現いかがでしたでしょうか。今後のデザイン制作のヒントになれば幸いです。

詳しい内容のお問い合わせは下記より受け付けております。

反応が早いです。ぜひ一度お試しください。